台風が通過したあと、自宅であれば建物の異変に比較的早く気付くことができます。
しかし、誰も住んでいない空き家や、普段あまり訪れることのない遊休地では、屋根材の破損や倒木、排水不良などが発生していても、長期間気付かないことがあります。
特に夏から秋にかけては台風が接近する機会も増えるため、空き家や遊休地を所有している方は、台風通過後に一度現地を確認しておくことが大切です。
大阪市でも空家所有者に対し、屋根、雨どい・側溝、庭木、屋外設置物などを確認し、台風通過後にも気になる部分を点検するよう呼びかけています。
この記事では、台風後の空き家・遊休地で確認したいポイントを7つに分けて解説します。
台風が過ぎても、すぐに現地へ行かない
最初に大切なのは、安全が確保されるまで現地へ向かわないことです。
台風が通過したように見えても、強風や大雨が続いていたり、道路が冠水していたり、倒木や電線が落下していたりする可能性があります。
また、建物に被害がある場合でも、屋根に登ったり、傾いた樹木や塀を自分で動かしたりすることは避けましょう。
安全が確認できてから、まず道路や敷地の外側から建物・土地全体を確認します。
被害を発見した場合は、修理や撤去を始める前にスマートフォンなどで写真を残しておくことも重要です。
台風後に確認したい7つのポイント
1.屋根・外壁・窓と雨漏りを確認する
空き家で最初に確認したいのが建物の外装です。
強風によって瓦やスレート、板金などがずれたり、一部が飛散したりしていることがあります。
外から確認するときは、次のような場所を確認してみましょう。
- 屋根材がなくなっていないか
- 棟板金などが浮いていないか
- 外壁にひび割れや剥がれがないか
- 窓ガラスが割れていないか
- 雨戸やシャッターが破損していないか
室内へ安全に入れる場合は、天井や壁のシミ、床の濡れ、カビ臭なども確認しましょう。
雨漏りは目立つ場所に水が落ちてくるとは限りません。屋根や外壁から入った水が壁内部を伝って、別の場所へ現れる場合もあります。
そのため、「床が濡れていないから大丈夫」と判断せず、天井や壁なども含めて確認することが大切です。
雨漏りを長期間放置すると、木材の腐食やカビなど、建物内部の劣化につながる可能性があります。
2.倒木・折れた枝・傾いた樹木を確認する
遊休地や庭のある空き家では、建物とあわせて注意したいのが樹木です。
完全に倒れていなくても、次のような変化がないか確認します。
- 根元が浮いている
- 台風前より樹木が傾いている
- 太い枝が途中で折れている
- 枝や樹木が道路・隣地側へ大きく張り出している
特に確認しておきたいのは、道路、隣家、駐車場、電線などに近い樹木です。
すでに倒木や枝が隣地へ入っている場合は、まず状況を写真で記録しておきましょう。隣地の建物や設備などへ影響している場合は、相手方と状況を確認し、必要に応じて専門業者や保険会社などへ相談します。
大きな木や不安定な状態になった木を自分で伐採することは危険です。無理に作業せず、造園業者など専門業者へ相談しましょう。
3.雨どい・側溝・排水口が詰まっていないか確認する
台風では大量の雨だけでなく、葉や枝、ごみなども敷地へ流れ込んできます。
そのため台風後には、次のような排水設備も確認しておきましょう。
- 雨どい
- 集水桝
- 側溝
- 排水口
排水口などが詰まると、次の雨で敷地内に水がたまり、建物の基礎部分や隣地側へ雨水が流れる原因になることがあります。
特に普段人がいない遊休地では、排水不良に気付かないまま次の大雨を迎えることがあります。
台風が一度通過したから終わりではなく、「次の雨でも問題なく排水できる状態になっているか」という視点で確認することがポイントです。
4.塀・フェンス・看板などが傾いていないか確認する
ブロック塀、フェンス、門扉、物置、看板なども強風の影響を受けやすい部分です。
見た目には倒れていなくても、固定部分が緩んでいたり、基礎部分にひび割れが入っていたりすることがあります。
道路側へ傾いている塀やフェンスは、歩行者や車両への危険につながる可能性があるため、特に早めに状態を確認しましょう。
また、空き家の敷地内に置いていた植木鉢、トタン板、資材、自転車などがなくなっている場合は、周辺へ飛散していないかも確認します。
「敷地内に残っているもの」だけではなく、「台風前にあったものがなくなっていないか」という視点でも確認してみましょう。
5.土地・地盤・擁壁に異変がないか確認する
大雨が続いた場合は、建物だけでなく土地そのものにも注意が必要です。
次のような変化がないか確認します。
- 地面の陥没
- 地面のひび割れ
- 土の流出
- 以前にはなかった水たまり
- 擁壁のひび割れ
- 擁壁の膨らみや傾き
特に高低差のある土地や擁壁がある土地では、雨水の影響によって地表や構造物に変化が生じる場合があります。
大きなひび割れや傾き、土砂流出などの異常が見つかった場合は、自分で土を戻したり補修したりする前に、専門家へ状態を確認してもらうことをおすすめします。
6.境界標・フェンスと隣地の状況を確認する
台風後に見落としやすいのが土地の境界です。
倒木や土砂、フェンスの倒壊などによって、境界付近の状況が台風前と変わっている場合があります。
特に確認しておきたいのが境界標です。
コンクリート杭、金属標、プレートなど、以前確認できていた境界標が見当たらない場合や、周囲の土が流れて位置が分かりにくくなっている場合は、その状態を写真で記録しておきましょう。
ここで注意したいのは、倒れたフェンスや塀だけを基準に土地の境界を判断しないことです。
法務省も、土地の境界を明確に示す境界標が境界トラブルを防止するうえで重要であると案内しています。
また、境界標らしきものが動いていても、自分の判断で元の位置と思われる場所へ戻すことは避けましょう。
境界が分からなくなった場合や隣地所有者との認識に違いが生じた場合は、過去の測量図や境界資料を確認し、必要に応じて土地家屋調査士などの専門家へ相談します。
7.電気・水道・施錠など建物の管理状態を確認する
建物内部へ安全に入れる場合は、電気・水道・防犯面も確認します。
浸水や雨漏りが発生している建物では、電気設備が濡れている可能性があります。濡れた電気設備やコンセントなどを不用意に操作することは避けましょう。
そのほか、次のような点を確認します。
- 窓や玄関の鍵が壊れていないか
- 水道管や蛇口から漏水していないか
- 窓ガラスが破損していないか
- 玄関や勝手口が開いた状態になっていないか
- 外部から容易に侵入できる状態になっていないか
台風によって窓ガラスや扉が破損すると、そのまま空き家への侵入経路になってしまう場合もあります。
建物の被害だけではなく、「台風後も適切に管理できる状態になっているか」という視点で確認しましょう。
被害を見つけたら、片付ける前に写真を残す
台風による被害を確認すると、すぐに片付けたり修理したくなるかもしれません。
しかし、まずは被害状況を写真で残しておきましょう。
政府広報オンラインでも、災害によって住まいが被害を受けた場合は、片付けや修理を始める前に被害状況を写真で記録しておくことを案内しています。
建物の場合は、次のように複数の距離から撮影しておくと被害状況を整理しやすくなります。
- 建物全体が分かる写真
- 被害箇所と周囲の位置関係が分かる写真
- 破損部分を近くから撮影した写真
遊休地についても、倒木や冠水、土砂流出などがあれば、土地全体と被害部分の両方を撮影しておきましょう。
火災保険などでは、契約内容によって台風による風災や水災が補償対象となる場合があります。
日本損害保険協会も、住宅修理について「保険金が使える」と勧誘する業者とのトラブルに注意し、住宅修理を契約する前に契約している損害保険会社または代理店へ相談するよう案内しています。
被害が確認された場合は、修理契約を急ぐ前に、加入している保険会社や代理店へ契約内容を確認しておくとよいでしょう。
台風後の空き家・遊休地チェックリスト
| 確認場所 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 屋根・外壁 | 瓦、板金、外壁、窓、雨漏り |
| 樹木 | 倒木、傾き、枝折れ、越境 |
| 排水 | 雨どい、側溝、排水口、集水桝 |
| 外構 | 塀、フェンス、門扉、物置、飛散物 |
| 土地 | 陥没、土砂流出、水たまり、擁壁 |
| 境界 | 境界標、フェンス、隣地との状況 |
| 設備・防犯 | 電気、水道、窓、玄関、施錠 |
スマートフォンでこの7項目を見ながら現地を一周するだけでも、確認漏れを減らすことができます。
「台風のときだけ見に行く」状態になっていないかも確認する
台風後の点検でもう一つ確認したいのが、空き家や遊休地そのものの管理状況です。
「前回この土地を見たのがいつだったか分からない」
「台風が来なければ現地を確認していなかった」
という状態であれば、今回見つかった問題だけを補修して終わらせるのではなく、今後の管理方法について考える機会でもあります。
空き家や遊休地は、利用していない場合でも、草木の管理、建物の修繕、固定資産税などの負担が続きます。
かいこうホームでは、未活用の土地を所有し続ける場合に考えられる問題について、未活用地の悩みでも詳しく解説しています。
長期間利用していない土地については、定期管理を続けるのか、売却するのか、別の用途に活用するのかを一度比較してみてもよいでしょう。
土地活用の代表的な選択肢については、土地活用の種類もあわせてご覧ください。
よくある質問
台風が通過したら、すぐに空き家を確認したほうがよいですか?
強風、大雨、冠水、土砂災害などの危険が残っている間は、現地確認を避けてください。
安全が確保されてから、まず道路や敷地外から建物全体を確認し、危険がないことを確認してから敷地内へ入ります。
木が隣地へ倒れていた場合はどうすればよいですか?
まず被害状況を写真で記録し、隣地所有者や管理者と状況を確認します。
倒木によって建物や車両などに損害が発生している場合、個別の状況によって対応が異なるため、その場で責任関係を判断せず、必要に応じて保険会社や専門家へ相談しましょう。
境界標がなくなっている場合はどうすればよいですか?
以前あった境界標が確認できない場合でも、自分の判断で新しい杭を設置したり、位置を決めたりすることは避けましょう。
過去の測量図や境界資料を確認し、必要であれば土地家屋調査士などへ相談します。
台風被害は火災保険を利用できますか?
台風による風災や水災が補償される契約もありますが、対象範囲や免責条件などは契約によって異なります。
被害箇所を写真で記録したうえで、加入している保険会社または代理店へ確認してください。
参考外部リンク
まとめ|台風・大雨後の確認を「土地の今後」を考えるきっかけに

台風後の空き家・遊休地では、屋根や雨漏りだけを確認すれば十分とは限りません。
倒木、排水、塀・フェンス、地盤、境界など、建物と土地の両方を確認することが大切です。
そして、台風のたびに草刈り、倒木、雨漏り、修繕などの心配が続いている土地であれば、管理を続けること自体が負担になっている可能性もあります。
かいこうホームでは、大阪市・大東市・門真市・東大阪市・四條畷市を中心に、空き家や遊休地について、現在の状態や土地の条件を確認したうえで、管理・売却・土地活用などの選択肢を比較するご相談を承っています。
「今すぐ建てたい」「すぐに売却したい」という段階でなくても問題ありません。
台風後の点検をきっかけに、所有している土地や建物を今後どうしていくか、一度整理してみてはいかがでしょうか。
空き家・遊休地の管理や今後の活用についてお悩みの方は、現在の土地・建物の状況から一緒に確認いたします。